乳児観察セミナー 2024年度のご案内
乳児観察infant observationは、1948年にイギリスにて子どもの心理療法のセラピストのための訓練として導入されたトレーニングです。
1960年ごろから大人を対象としたセラピストの訓練にも広がり、今では広く子どもの心やグループ心性などに関心を持つ人が参加するようになっています。
日本においても東京・京都・大阪・名古屋などで乳児観察のグループは開講されていますが、2022年4月より岐阜でのグループを新たに開きました。
講師:松本拓真
時間:毎週月曜日 19:30~21:00
場所:ながら心理相談室(オンライン参加希望はご相談ください)
料金:1回5000円で、各月の月末にまとめて講師にお支払いただきます。
申込方法:下記のアドレスに、題名を「乳児観察セミナー希望」とし、本文に氏名、所属、連絡先、これまでに受けてきた研修や訓練などを自由形式でお書きの上、お申込みください。質問したいことなどがありましたら遠慮なくご連絡ください。
[email protected]
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講師紹介
松本拓真:岐阜大学教育学部准教授。臨床心理士。公認心理師。子どもの精神分析的心理療法スーパーバイザー(コンサルタントセラピスト)。主著に「自閉スペクトラム症を抱える子どもたち」(単著、金剛出版)、「子どもの精神分析的セラピストになること」(共著、金剛出版)がある。最近の他の仕事はHPを参照(https://researchmap.jp/takumats)
乳児観察の説明
赤ちゃんが生まれて間もない頃から2歳になるまで、週1回決まった時間に赤ちゃんのいる家庭に訪問して、赤ちゃんが家族の中で育っていく様子を観察します。特徴は観察している1時間の間はメモを取らないこと。毎回の終了後、観察場面を思い出しながら、記録を書きます。観察はボランティアで、観察を引き受けてくれる家族を自分で探すことから訓練は始まります。
自分が家庭に訪問する観察とは別に週1回の「乳児観察セミナー」に参加し、3~6名のメンバーとともに順番に観察した記録を発表し、様々な角度から観察した内容を吟味します。赤ちゃんを探すところから、観察を維持していき、終結を迎えるまで、このセミナーグループが観察者をサポートしていきます。
こんな人に向いてます(乳児観察のメリット)
1. 言葉を話せない乳児とその家族を観察して記録していくという行為は、非言語的な動きに機敏になり、それを言葉にできる力を増します。発達障害や緘黙など言葉で伝える力の限られている子どもと仕事をされている人に最適です
2. 相対的に無力な乳児が体験する情緒は圧倒的なもので、そこに留まり観察するという経験により、様々な情緒に耐えて考え続けるという姿勢を身に着ける機会となります。死や痛みと隣り合わせの職場であったり、虐待やトラウマを受けた人を支援したりする人に役に立ちます
3. 「観察すること」は、すべての仕事の基盤となりますので、自身の専門性の「背骨」のようなものを見つけたい方に向いています。特にワークディスカッションという方法の基盤に乳児観察経験があると考えられていて、グループ力動を理解する上でも必須なトレーニングです。